犬が部屋の角でおしっこするのはなぜ?|マーキングの原因とやめさせ方

朝起きると・・・テーブルの角、ソファの足、壁のすみ、床に置いたままの段ボール。

「くっ……またやられた!!」と叫びたくなる瞬間、ありませんか?

うんちはちゃんとトイレでするのに、なぜかおしっこだけは角に強いこだわりを見せる我が家のわんこ。
実はこれ、トイレトレーニングの失敗ではなく、犬の本能と習慣が関係している行動なんです。

今回は、そんな「角におしっこ」問題の原因と、今日からできる改善対策をわかりやすく解説します。


角へのおしっこは“マーキング”の可能性大

オス犬に多く見られるこの行動、実は縄張りを示すマーキングである場合がほとんどです。
犬にとって家具の角や壁の隅っこ、床に置いてある段ボールなどの“立体的な場所”は、ニオイが残りやすい場所。
つまり犬の世界では「はいここ、俺の場所~~!」と宣言する一等地なのです。

お散歩中にも電柱に強く固執する子がいるかと思いますが、それは他の犬がしたおしっこのニオイが残っており、その上に自分のニオイを上書きする欲求が出ているという訳です。
もうおしっこも出てないくせに足だけ上げて、マーキングしたつもりになっていることもあります。

よくあるタイミング

  • 留守番中や夜間など、飼い主がいない時、もしくは見ていない時
  • 来客があった後や新しい家具を置いた後
  • 他の犬のニオイを感じたとき

このような時、犬は自分のニオイで安心したい、または上書きしたいという心理でマーキングをします。
新しいソファーにされたりなんかしたら「勘弁してくれよ~!!」と泣きたくなります。


「うんちは完璧」なのになぜ?

排便は生理的な排泄ですが、排尿には感情や社会的意味が含まれます。
つまり、うんちはスッキリしたいだけでも、
おしっこは「ここに印を残したい」という意識が働くのです。

そのため、トイレを理解していても「つい角に…」ということが起こります。


マーキングの主な原因

原因タイプ状況対策
去勢していない本能的なマーキング去勢で抑えられることが多い(1歳前後が理想)
家具や人の匂いが変化“他人の匂い”に上書き匂いを完全除去+再配置
ストレス・寂しさ留守番中や環境変化時生活リズムを整え、遊び・スキンシップを増やす
トイレの位置が遠い/行きにくい行くのが面倒で近場の角で寝床や食事近くにもトイレを仮設して誘導

マーキングされてしまった時の正しい対策

「またやられた…!」と思っても、叱るのはNG
ここで感情的になってしまうと、犬は「おしっこ=怒られる=隠れてやろう」と学習し、余計に見えない場所でしてしまいます。
飼い主が寝静まったあと、お留守番中などやつらは隙を見てマーキングすることを学習します!

対処のステップ

  1. すぐに気づいたら静かに片付ける
    • 無言で淡々と処理。反応しないのが一番の「罰」になります。「あれ?構ってくれないやん」としょんぼりさせましょう。
  2. 酵素系クリーナーでニオイを完全分解
    • アルコールや一般的な除菌スプレーではニオイの分子を壊せません。
    • 「Nature’s Miracle」「ジョイペット酵素クリーナー」などがおすすめ。
  3. マーキング防止スプレーを使用
    • 柑橘・ミントなど犬が苦手な香りを現場に吹きかけ再発防止。
  4. 家具や壁の角にバリア設置
    • カバーやフェンスを置き、“狙える角”を物理的に減らす。

注意点

  • ニオイを残すと「ここはトイレ」と記憶されるため、徹底的に消臭がカギ。
  • 匂いを消したあとで、トイレの位置を再認識させるとより効果的です。

マーキングをやめさせるには?

マーキングは「犬の本能」ですが、しつけと環境でコントロールすることは可能です。
ポイントは「叱る」より「正しい行動を習慣化」させること。

① 去勢手術で本能的マーキングを軽減

オス犬のマーキング行動は、性ホルモン(テストステロン)によるものが多く、
去勢によって約7割の犬でマーキング頻度が減るといわれています。
理想は生後6〜12か月の間。すでに癖がついた成犬でも、時間をかけて再学習すれば改善します。

② 「マーキングできない環境」を作る

  • 角・壁・家具の脚など、狙いやすい場所にフェンスやカバーを設置
  • トイレを「人がよく通る場所」ではなく、落ち着ける空間に配置
  • 定期的に酵素系クリーナーでニオイ除去(残り香は最大の誘因)

③ 成功体験を積ませる

トイレでしっかり出来たときに、すぐ褒める(終わったら速攻で!)
マーキング癖のある犬は「失敗を叱る」より「成功を強化」する方が断然効果的です。
できれば褒め言葉ご褒美おやつでポジティブに習慣づけましょう。

④ ストレスケアも忘れずに

マーキングの背景には「不安」「退屈」「構ってほしい」などの感情もあります。
毎日の散歩や知育トイなどで発散を促し、心の安定=マーキング減少につなげます。


「見てないときだけやる」心理とは?

これは犬が悪いわけではなく、学習の結果
飼い主がいない時だけやるのは、「怒られないタイミングを学んだ」から。
だからこそ叱るよりも、環境と習慣を変える方が根本的に早いのです。


マーキングとトイレミスを見分けるポイント

行動の特徴マーキングトイレミス
少量を何回も◎ よくある× まれ
壁や角など立体物◎ 狙いやすい× あまりない
排泄前後のニオイ確認◎ クンクン嗅ぐ△ 時々
トイレ以外で大量にする× あまりない◎ 典型的

まとめ|マーキングは“悪気”じゃない

部屋中の角を攻めるオス犬、まるで“縄張りパトロール”中。
彼らにとっては生まれ持った習性なので、怒っても仕方がありません。

だからこそ、「叱る」より「消す」「防ぐ」「誘導」がポイント。
今日からマーキング大会を終わらせるために、静かに環境リセットをしていきましょう。

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