犬が鏡を見て吠える理由|“自分”だと気づいてない?

鏡の前で「ワンッ!」
「……いや、それ、君だから。」

そんなツッコミを入れたくなるほど、鏡に向かって本気で吠える犬、いますよね。
中にはしっぽを振って喜んだり、逆に後ずさりして警戒する子も。

この記事では、犬が鏡を見て吠える理由と、上手に慣らすための方法をわかりやすく解説します。


犬は鏡の中の自分を“自分”だと認識できる?

結論から言うと、
犬は鏡の中の自分を「自分」だとは思っていません。

人間やイルカ、チンパンジーなど、一部の動物は「鏡像認知」と呼ばれる能力を持っています。
しかし犬は、視覚よりも嗅覚と聴覚が主な情報源

そのため、
鏡の中に「はっ...!?知らない犬!!急に現れて誰やおまえ!!」と感じ、反応してしまうのです。


吠える理由①:縄張り意識

鏡の中の犬=侵入者。
「ここは俺の家だぞ!」と警戒して吠えるケースがほとんど。

とくにオス犬や、警戒心の強い犬ほど反応が強くなります。
しっぽを立てて、耳をピンと立てているなら「守りモード」の証拠です。


吠える理由②:遊びや興奮

逆に「仲間発見!」とテンションが上がって吠える子もいます。
ぴょんぴょん跳ねたり、しっぽをブンブン振っているなら遊びスイッチがON状態。

この場合は「悪気ゼロの社交的ワンコタイプ」ですね。


吠える理由③:不安・混乱

鏡の犬が動くたび、自分も動く。
でも匂いがしないし、音もしない。
「なにこいつ!怖い!」となって吠えてしまうパターンもあります。

このタイプは、首をかしげたり、後ろに下がりながら吠えるのが特徴です。


慣らすためのトレーニング方法

Step1:まずは距離をとる

いきなり鏡の前に立たせず、少し離れた位置から鏡を見せてあげましょう。
吠えなければ褒めておやつを与えることで、「鏡=怖くない」と学ばせます。

Step2:飼い主が鏡の前で楽しそうにする

飼い主が鏡を見て笑ったり、軽く話しかける姿を見せると、
犬は「これは安全なものなんだな」と理解しやすくなります。

Step3:鏡の中で“良いこと”を起こす

鏡の前でおやつを食べさせたり、遊びタイムにすることで、「鏡の前=楽しい場所」と記憶づけられます。

待てやおすわりなどの基本的なしつけがまだ済んでいない方はこちらの記事をどうぞ!
子犬期から始めたい「基本のしつけ方法」|待て、おすわりは簡単!?


やってはいけない対応

  • 無理に鏡の前に連れていく
  • 吠えたら叱る
  • 布で覆って完全に見せない

これらは「鏡=嫌なもの」という印象を強めてしまうため逆効果。
焦らず、“慣れる練習”を少しずつ繰り返すのがポイントです。


こんなときは注意!

もし鏡だけでなくテレビや窓ガラスにも同じ反応をする場合、単なる「反射」ではなく、神経的な過敏反応の可能性も。

不安傾向が強い犬や、加齢で感覚が過敏になっているシニア犬では、専門的なアドバイス(トレーナー・獣医師)を受けるのがおすすめです。


まとめ|自分自身と戦う犬

鏡の中の“知らない犬”に本気で挑む姿に「自分の分身と戦ってんのか?」と思わず笑ってしまいますよね。

でも実際は、「なんか変なヤツがいる!」と一生懸命に家を守ってるだけなんです。

焦らず、ちょっとずつ慣らしていけば、そのうち鏡の前でドヤ顔チェックを始める日が来るかも?