ミニチュアダックスフンドの飼い方ガイド|短足界の帝王は甘えん坊!?

街で見かければ、つい「足みじかっ!でも何、あのひょこひょこ一生懸命歩いてる姿の尊さは!!」と笑顔になってしまうのがミニチュアダックスフンド。独特の胴長短足スタイルとキュートな顔立ちで、日本でも長年トップクラスの人気を誇っています。
しかしこの愛らしいフォルム、実は獲物の巣穴に潜り込むために進化した“地下戦のスペシャリスト”。見た目に騙されて「おとなしいインドア派かな?」と思ったら大間違いです。
そこで今回は、短足界の帝王ミニチュアダックスフントの性格・特徴を踏まえた初心者必見の飼い方ガイドをご紹介します!
ミニチュアダックスフンドってどんな犬?性格と特徴

ミニチュアダックスフンドは、ドイツ原産の犬種で、もともとはアナグマやウサギを追うための猟犬として活躍していました。胴長短足というユニークすぎるシルエットは、この狩猟のために進化したもの。狭い穴の中にもぐり込み、獲物を追い出すために短い足と細長い体が役立ったのです。
大きさはスタンダード・ミニチュア・カニンヘンの3種類に分かれますが、日本で一般的に飼われているのは体重4〜5kg前後のミニチュアタイプです。サイズは小型犬に分類されるものの、性格は「小型犬らしからぬタフさ」が売りで、見た目に反して体力もあり活発に動き回ります。
性格は明るく陽気で、とにかく家族に対して愛情深いのが特徴。ただし、狩猟犬としての血が残っているため警戒心が強く、物音や気配に敏感で「ワンワン警備員」になりやすい一面もあります。
学習能力は高く、しつけや芸などは覚えやすい反面、「吠えれば構ってもらえる!」と学習すると、あっという間に「無駄吠えスイッチ」がONに…。賢さと頑固さが同居しているため、飼い主の一貫した対応がとても大切です。
コートタイプによる違い
ミニチュアダックスは毛質によって性格やお手入れの仕方にも違いがあります。
- スムース(短毛)
ツヤのある短い毛が特徴で、最も古いタイプ。性格は活発で気が強い子が多め。抜け毛は多いですが、お手入れは比較的ラク。 - ロング(長毛)
ふわっとした柔らかい毛並みで人気の高いタイプ。性格は穏やかで社交的な子が多いと言われています。絡まりやすいので毎日のブラッシングが必須。 - ワイヤー(硬毛)
硬めで粗い毛質を持ち、ちょっとワイルドな雰囲気。性格は独立心が強く、頑固な一面も。他のタイプより個体数は少ないですが、愛好家には根強い人気があります。
とはいえ、その短足で全力疾走する姿や、くりっとした目で「遊ぼうよ!」と見つめてくる仕草は、毎日を笑顔にしてくれること間違いなし。見た目のユーモアと甘えん坊な性格が相まって、日本でも長年大人気の犬種となっています。
男の子の特徴
男の子ダックスはとにかく甘えん坊でやんちゃ。常に飼い主の後をついて回り、「遊んで!かまって!」とアピールが止まりません。テンションが上がると家中をダッシュで駆け抜け、ソファにジャンプ!その姿に思わず「あんた!腰悪くなるからやめて!」とツッコミを入れたくなることも。
女の子の特徴
女の子は比較的落ち着きがあり、ちょっとクールな印象。でも実は賢く、飼い主の表情や雰囲気を敏感に察知する“頭脳派”タイプです。ツンデレ気質なところもあり、素っ気なく見せかけて実は甘えたい…そんなギャップにやられる飼い主多数。
飼う前に知っておきたいこと

① 胴長短足ゆえの「腰と足の弱さ」
ミニチュアダックスといえばチャームポイントはやっぱり胴長短足。でもそのかわいい体型は、同時に「腰と足に負担がかかりやすい」という宿命も背負っています。特に多いのが 椎間板ヘルニア。ジャンプや階段の上り下り、フローリングでの急ブレーキなどはその原因となってしまいます。ソファーから「よっこいしょ」と飛び降りるだけで、数年後にはその蓄積でヘルニアになってしまう可能性も…。滑り止めマットやステップを設置してサポートしてあげましょう。
② 無駄吠えモードに要注意
狩猟犬としての本能が残っているため、ミニチュアダックスはとにかく物音に敏感。「ピンポーン!」で即ワンワン警報、「誰かが通った!」で即ワンワン警戒態勢。結果、家の中が24時間稼働の警備会社状態になることも…。
「頼もしい番犬」とも言えますが、近所迷惑にならないよう、吠えても構わない場面とダメな場面をきっちり区別してしつける必要があります。
最初から「吠えたら無視する」ルールを徹底しておきましょう。
③ 意外と運動量が必要
「短足だから散歩も少なくていいでしょ?」と思っていたら大間違い!(そんな人いないと思いますが...(笑))
ミニチュアダックスはもともとアナグマを追い回していたパワフル犬。ユニークな見た目に反して、実は体力おばけです。
お散歩に加えてボール遊びや知育玩具での遊びも必須。
運動不足になると破壊活動に勤しむ、暴君に…。家具やクッションが犠牲になります。
運動不足は肥満やストレスの原因に繋がりますが、過度な運動は足腰に負担がかかってしまいます。飼い主さんがしっかりと見極めて、愛犬に合った適切な運動時間を見つけてください。
④ 毛並みごとのケアが大変
先ほど触れたように、スムース・ロング・ワイヤーで毛質が違うため、ケアの仕方も変わります。スムースは抜け毛対策が大変、ロングは毛玉との戦い、ワイヤーは定期的なトリミングが必要。
「うちの子はスムースだから楽〜♪」と思っていたら、服が毛まみれに…。どのタイプでも「お手入れしなくていい」なんてことはありません。
⑤ 甘やかすと「わがまま将軍」に
とにかく甘えん坊で、飼い主が大好きなダックス。四六時中「ねぇねぇ、かまって?」とやってきます。ここで甘やかし続けると「分離不安」になり、飼い主が見えなくなった瞬間に「ワオォーン!」と大絶叫。留守番ができない困った子になってしまいます。
最初から適度な距離感を意識し、安心して一人で過ごせる時間も作ってあげることが大事です。
食事と健康管理
ミニチュアダックスの食事は年齢や体重に合わせ、1日2~5回に分けて与えるのが基本です。
ミニチュアダックスは胴長短足の宿命で、腰や関節に負担がかかりやすい犬種です。しかも太りやすい犬種の代表格でもあります。
ユニークなボディの裏に、大きなリスクを背負っているのです。
そこで大事なのが「食事」。ただお腹が満たされればいいわけじゃありません!
ドッグフードの選び方
- 軟骨成分の配合
グルコサミンやコンドロイチンといった“関節サポート成分”入りのフードは、ダックスの足腰ケアにぴったり。将来、腰をやって歩けなくならないように、食事から予防しておきましょう。 - 高タンパク・低カロリー
小さな体のくせに食欲はモンスター級。気づけば「ダックス?いや、アザラシ?」状態になることも…。とにかく太りやすい犬種なので、炭水化物控えめ・高タンパク・低カロリーなフードがベストです。 - サイズと形(キブル)
「大粒だと丸飲みしちゃう」「小粒だと吸い込むように食べて秒で完食!」なんてのはダックスあるある。専用設計のキブル(粒)のフードなら食べやすく、噛むことで歯の健康にもつながります。
おやつとの付き合い方
おやつはトレーニングの必須アイテムですが、あげすぎると即・横綱ボディまっしぐら。低カロリーで噛みごたえのあるおやつを選んで、「ご褒美=歯磨きや関節ケアにも役立つ」ようにすると一石二鳥です。
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水分補給も忘れずに
特に夏は熱中症対策で水分補給が超重要。ダックスは体高が低いぶんアスファルトの熱を受けやすく、脱水のリスクも高いので、いつでも新鮮なお水を飲める環境を整えてあげましょう。
健康チェックのポイント
- 体重:増えたら即アラート!肥満は腰への大敵です。
- 毛艶:パサつきは栄養不足のサイン。
- 涙やけや皮膚:フードが合っていない可能性も。
定期的に動物病院で健康診断を受けることで「隠れトラブル」も早期発見できます。
運動と遊び

短足でも走るの大好き!足は短いけど回転数で勝負!
お散歩中のミニチュアダックスフンドを後ろから見ると信じられない速さの足運びで思わず笑っちゃいます。しかし短い足で一生懸命に歩くので、人間にとっては「たったの10分」でも、本人にとっては「マラソン並みの負荷」になることもあります。1日2回、各20〜30分程度を目安にしつつ、暑いアスファルトや長時間の坂道散歩は腰の天敵なので避けましょう。また、体高が低いため地面からの熱をモロに受けます。夏場は朝晩の涼しい時間帯に散歩をしてあげるのが鉄則です。
お散歩時の注意点
- 散歩時間:1日2回、各20〜30分程度(年齢や体調を考慮して調整)
- 暑さは大敵!夏場のお散歩は時間帯を考慮して涼しい時間帯に!
- 足腰への負担が大きいので、坂道や階段のあるコースは避けましょう。
- 首輪ではなくハーネスを使用することで負担を減らしましょう。
- シャコタン仕様なのでお腹が汚れます!
- 食いしん坊なので、拾い喰いには要注意!
ボール遊びは天職!?
元狩猟犬だけあって、動くものを追いかけるのは大得意!ボールやおもちゃを投げて持ってこさせる遊びは、ダックスにとって天職!
ただしジャンプキャッチは腰への負担大なのでNG。地面をコロコロ転がすくらいがちょうどいいです。
また好奇心旺盛で頭も良いので、体を動かすだけでなく頭を使った遊びも重要です。知育トイやコングにおやつを仕込んで「どうやって取ろうかな?」と考えさせると、退屈防止&ストレス解消にぴったり。
ドッグランは相性次第
ドッグランに行き他の犬と触れ合うことは犬にとって良い刺激になります。しかし、ダックスは警戒心が強めな子も多いため、いきなりリードを外し突撃させると、社会の荒波に揉まれ苦いドッグランデビューになることも…。興奮しすぎたり、他の犬に過度な負担をかけたりしないように、飼い主が注意深く見守る必要があります。ドッグランデビューを焦らず、愛犬のペースに合わせて徐々に慣らしていくことが大切です!
お手入れと日常ケア
ミニチュアダックスフンドには『スムース・ロング・ワイヤー』3種類毛質があります。
それぞれの毛質によって手入れやケアの方法が違ってきますので確認しておきましょう!
- スムース:週に一回程度のブラッシング。短毛で手入れラク、でも抜け毛は多め。
- ロング:毎日のブラッシングが必須。特に耳や尻尾のケアは重点的に。ふわさら毛で人気、お手入れは念入りに。
- ワイヤー:週に数回のブラッシングと定期的なトリミング必須。ワイルド感があり、抜け毛が少ない。
どのタイプも抜け毛ゼロではないので、掃除機とコロコロは必須なります。また皮膚トラブルを防ぐため、月に1〜2回程度のシャンプーは怠らないようにしましょう!
ミニチュアダックスフンドと暮らすメリット・注意点
メリット
- 胴長短足!ユニークな見た目が最高に愛らしい
- 毛のタイプや毛色のバリエーションが多く、好みに合った子を見つけやすい!
- 短い足をフル回転!活発で一緒に遊ぶのが楽しい!
- 賢く、新しい環境にもすぐ馴染む!多頭飼いにもおすすめ
注意点
- 警戒心が強く、吠えグセがつきやすい
- 椎間板ヘルニアや肥満などの病気リスクが高い
- 甘えん坊で飼い主への愛着が高いので、分離不安になりやすい
- 足腰への負担軽減のため、床材やステップなど生活環境のサポートが必要
まとめ
ミニチュアダックスフンドは、その短い足と胴長ボディで歩くだけでも「コミカル3割増し」の存在感。見ているだけで毎日が笑顔になる、そんな愛され犬です。
ですが、同時に腰や関節へのリスクも抱えているので、食事・運動・生活環境・日々のお手入れには相当気を使ってあげる必要があります。
男の子は「オレについてこい!」タイプのやんちゃ坊主、女の子は「私は私よ!」なマイペース女子。そこに毛質の違い(スムース、ロング、ワイヤー)まで加わると、個性は無限大。つまり「ダックスだからこう!」とは一概に言えず、世界に一匹だけの愛犬になるのです。
トリミングや健康管理は大変かもしれませんが、その苦労を軽く超える「癒しと笑い」を毎日プレゼントしてくれるのがこの犬種。気づけばソファの上で「くぅ〜ん」と寄り添ってきたり、短い足で全力疾走して笑わせてくれたり…そんな姿に飼い主の心は撃ち抜かれっぱなし。
ミニチュアダックスフンドは、飼い主次第で「最高のパートナー」にも「わがまま将軍」にもなるポテンシャルを持つ犬。だからこそ、しっかりルールを決めて愛情を注げば、一生ものの大切な家族になってくれるでしょう。